米穀店の看板や通販サイトで「五ツ星お米マイスター」という言葉を見たことはありませんか。どんな資格で、何ができる人なのか。公式サイトの情報をもとに、消費者の立場から見た意味を整理します。
① 一般財団法人日本米穀商連合会が認定する民間資格で、2002年度に始まりました。
② 三ツ星は知識試験、五ツ星は7科目の実技試験。玄米鑑定や食味官能評価、ブレンド技術まで問われます。
③ 認定者は三ツ星2,145名・五ツ星476名(2022年9月末時点)。公式サイトでお店と保有者を検索できます。
お米マイスターとは
お米マイスターは、一般財団法人日本米穀商連合会(日米連)が認定する資格制度です。2002年度に発足しました。
公式サイトによると、創設の背景には、米の販売が登録制になった規制緩和のあと、銘柄と価格ばかりが重視されて「米の偽装、商品品質の低下、米価の下落、農家の米離れ、消費の低迷」が生じたことがあります。品質や好みによる見極め方を、対面で消費者に伝える人材を育てるという狙いです。
MEISTERはドイツ語で「巨匠・師匠」の意味。公式サイトは「お米に関する専門職経験がある人のみに受験資格がある、いわば、お米の博士号」と説明しています。
国家資格ではありません
認定するのは民間法人である日本米穀商連合会です。法令に根拠を持つ国家資格や、その資格がないと営業できない業務独占資格ではありません。
三ツ星と五ツ星の違い
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 三ツ星お米マイスター | 知識試験に合格した人 |
| 五ツ星お米マイスター | 技能(実技)試験に合格した人。三ツ星の合格者だけが受験できる上位資格 |
つまり五ツ星は、知識試験を通ったうえで実技に合格した人ということになります。
どんな試験なのか
三ツ星
認定講座7レッスンを受けたうえで、1時間の試験を受けます。講座の内容は次のとおりです。
- 米の品種特性と新形質米
- 精米技術
- 米の保存と保管技術
- 炊飯特性とブレンド特性
- 店内レイアウトと接客マナー
- 米の栄養とご飯食の効用
- 関係法令等
受験資格は、米穀の届出事業者のうち小売業を営む人とその家族・従業員、米穀小売業に5年以上従事している人、日米連の団体会員または一般会員であることなどです。誰でも受けられる資格ではありません。
五ツ星
7科目の実技試験です。
- 精米技術
- 玄米鑑定
- 米穀商品説明
- 炊飯技術
- 食味官能評価
- 米穀ブレンド技術
- 炊飯指導技術
玄米を見て品質を判断し、実際に炊いて味を評価し、複数の米をブレンドする——店頭での実務そのものが問われる構成です。
どれくらいの人が持っているのか
公式サイトに記載されている認定者数です(令和4年=2022年9月30日時点)。
| 区分 | 人数 |
|---|---|
| 三ツ星 | 2,145名 |
| 五ツ星 | 476名 |
| 合計 | 2,621名(全国47都道府県) |
トップページには「全国で約2,700名」という記載もありますが、こちらは基準日が明記されていません。米穀店の数を考えると、五ツ星は全国で500人前後の希少な資格といえます。
お米マイスターのいる店を探す
公式サイトには2つの検索機能があります。
- 認定お米マイスターショップ検索:都道府県別に探せます。「自家精米を実施」「玄米をその場で精米」「持込み精米を受付ける」「米ぬか販売」「お米券販売」などの条件でも絞り込めます
- 五つ星マイスター取得者検索:都道府県別に保有者を探せます
「その場で精米してもらえる店」を条件で探せるのは実用的です。精米してからの時間が味に効くことは、お米の保管温度と鮮度で解説したとおりです。
消費者にとって何が頼めるのか
公式サイトが挙げる役割は、全国の産地から美味しいお米を探すこと、品質を見極めること、特長を活かした精米やブレンドをすること、そして美味しい炊き方や保管方法を提案することです。
実際に相談するなら、次のような聞き方が有効です。
- 「もちもちしたお米が好きだが、冷めても固くならないものはあるか」といった好みと用途を伝える
- 「カレー用に粒立ちのよいお米がほしい」など料理から選んでもらう
- 分づき米や、精米度合いの相談
銘柄を指定して買うより、条件を伝えて選んでもらうほうが、この資格の価値を引き出せます。お米そのものの選び方はお米大全もどうぞ。
似た資格との違い
| 資格 | 運営 | 対象 |
|---|---|---|
| お米マイスター | 一般財団法人日本米穀商連合会 | 米穀小売業の経験者(5年以上など) |
| ごはんソムリエ | 公益社団法人日本炊飯協会 | 年齢・職業を問わない |
| 米・食味鑑定士 | 米・食味鑑定士協会 | 生産・栽培側からの品質鑑定が中心 |
ごはんソムリエは2日間の講義・食味実習のあとに筆記試験と食味試験があり、業界での実務経験は求められません。米・食味鑑定士は2日間の講義・実習(食味・品質・栽培法)を経て試験を受けます。お米マイスターは実務経験が前提という点が、いちばん大きな違いです。
よくある質問
お米マイスターは国家資格ですか?
三ツ星と五ツ星はどちらが上ですか?
誰でも受験できますか?
お米マイスターのいるお店はどこで探せますか?
制度や数値は改正・更新されます。最新の内容は各出典をご確認ください。








