滋賀県が送り出した近江米の新品種「きらみずき」。県の資料では「大粒でしっかりとした食感、すっきりとしたみずみずしい甘さ」のお米とされ、化学肥料や殺虫・殺菌剤を使わない栽培か有機JAS栽培に限って作られています。この記事では、滋賀県の資料をもとに、きらみずきの味・特徴・栽培ルール・食味ランキングでの評価を整理し、令和8年産の商品も紹介します。
・きらみずきは滋賀県農業技術振興センターが「にこまる」×「滋賀69号」から育成した近江米の新品種(系統名「滋賀83号」)。令和6年産から本格デビュー
・県の資料では大粒でしっかりとした食感、すっきりとしたみずみずしい甘さ。高温でも白未熟粒が出にくい品種です
・化学肥料も殺虫・殺菌剤も使わない栽培か、有機JAS栽培に限って作られます。令和7年産は参考品種として食味ランキング特Aの評価(参考品種はランキングの対象外)
「きらみずき」とは|近江米の新しいブランド米
渡船 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 産地 | 滋賀 | 滋賀 | 滋賀 | 滋賀 |
| 粘り | データなし | ふつう | ふつう | データなし |
| 硬さ | データなし | ふつう | ふつう | データなし |
| 食味 | — | A | 特A | — |
| 1kgあたり | ¥1,200〜 | ¥549〜 | ¥548〜 | — |
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粘り・硬さは編集部の目安(5段階)。食味は日本穀物検定協会「米の食味ランキング」第55回(令和7年産米)。価格は2026年10月9日時点の楽天市場の令和8年産(広告)。お米の品種一覧で全品種を比べる
きらみずきは、滋賀県農業技術振興センターが育成したうるち米の品種です。滋賀県の生産者説明会資料(令和5年2月)によると、「にこまる」を母、「滋賀69号」を父として2009年に人工交配し、その後代から集団育種法で育成した系統「滋賀83号」が、きらみずきになりました。父の滋賀69号は、ヒノヒカリの交配後代と滋賀62号(秋の詩)を親に持つ系統です。県は「13年をかけて『きらみずき』を選抜」したと紹介しています。
品種登録は令和5年2月13日に出願(出願番号第36664号)されました。令和5年産はプレデビューとしてJA直売所などで販売され、令和6年産から本格デビュー。新米の販売・提供は2024年10月12日、滋賀県のアンテナショップ「ここ滋賀」から始まりました。
名前は、「炊きあがりがキラキラ艶やかで、すっきりとみずみずしい甘さであること。日本一の琵琶湖を有する滋賀県から誕生する新しい近江米が、みらいに向かってキラキラと輝き続けられるよう願いをこめて」命名されました。
| 項目 | きらみずきの基本データ |
|---|---|
| 育成 | 滋賀県農業技術振興センター |
| 交配 | にこまる × 滋賀69号(2009年) |
| 系統名 | 滋賀83号 |
| 品種登録 | 令和5年2月13日出願(第36664号) |
| デビュー | 令和5年産プレデビュー/令和6年産から本格デビュー |
| 熟期 | 中生の晩 |
| 栽培方法 | 化学肥料・殺虫殺菌剤を使わない栽培、または有機JAS栽培に限定 |
| 食味ランキング | 令和7年産 参考品種として特A(参考品種はランキング対象外) |
きらみずきの味・食感の特徴
滋賀県は、きらみずきを「大粒でしっかりとした食感、すっきりとしたみずみずしい甘さ」のお米と紹介し、「噛むほどに甘さが広がります」と説明しています。食味は「コシヒカリ」と同等以上の評価です。県のアンテナショップ「ここ滋賀」の記事では、「コシヒカリなどが粘り気のある、甘みの強い味とすれば、『きらみずき』はあっさり。でも、しっかりと旨みもある」と表現されています。
生産者説明会資料の試験成績(2015〜2022年の奨励品種決定調査、標肥区の平均)でも、その特徴が数字に表れています。
| 項目 | きらみずき(滋賀83号) | 日本晴 | 秋の詩 |
|---|---|---|---|
| 食味官能 総合評価 | +0.10 | -0.55 | -0.21 |
| 玄米千粒重 | 22.8g | 22.4g | 22.6g |
| 玄米タンパク質 | 6.28% | 6.66% | 6.26% |
| アミロース(2018〜21年平均) | 17.7% | 18.7% | 17.3% |
| 味度 | 79.7 | 70.5 | 76.3 |
| 玄米外観品質(1〜9、小さいほど良い) | 4.0 | 5.0 | 4.6 |
食味官能の基準は滋賀県農業技術振興センター産コシヒカリ(-3〜+3の評価)。化学肥料を使った試験区のデータです。出典:滋賀県「近江米新品種『滋賀83号』生産者説明会」資料(令和5年2月)。
食味官能試験の総合評価は、基準のコシヒカリに対して+0.10でした。資料では、玄米は「色沢は飴色で光沢は優れる」とされています。粒感がしっかりあって、甘さはすっきりというのが、きらみずきの方向性です。
きらみずきの栽培特性
| 項目 | きらみずき | 日本晴 | 秋の詩 |
|---|---|---|---|
| 出穂期/成熟期 | 8月9日/9月17日 | 8月8日/9月15日 | 8月13日/9月21日 |
| 稈長 | 73cm | 83cm | 94cm |
| 倒伏程度(0〜5) | 0.1 | 0.4 | 1.4 |
| 精玄米重 | 61.1kg/a(日本晴比108%) | 56.5kg/a | 57.7kg/a |
| 高温登熟性 | やや強 | やや弱 | やや弱 |
倒れにくく、暑さに比較的強い:背丈が73cmと低く、耐倒伏性は「強」。高温登熟性は「やや強」で、資料には「高温登熟であっても白未熟粒は生じにくい」と書かれています。穂発芽性は「やや難」です。
いもち病への注意:一方で、葉いもちのほ場抵抗性は「中」、穂いもちは「やや弱」で、資料は「いもち病に対する抵抗性は十分ではなく」、いもち病がよく出る地域では栽培を避けることが重要としています。化学肥料も殺虫・殺菌剤も使わない栽培では、精玄米重が約10%程度少なくなると想定されています。
きらみずきの栽培ルール|環境に配慮した栽培だけ
きらみずきの大きな特徴は、作り方が厳しく決められていることです。滋賀県によると、栽培は次の2つの区分に限られます。
① 化学肥料や殺虫・殺菌剤(化学合成農薬)を使用しない栽培(本田で化学肥料を使わない。除草剤は使用可)
② オーガニック栽培(有機JAS認証)
どちらも「滋賀県環境こだわり農産物」の認証が前提です。生産者には、環境こだわり栽培かオーガニック栽培の実績があること、原則60a以上作付けすること、全量種子を更新して自家採種しないこと、1.85mm以上のふるい目で調製すること、農産物検査を受けることが求められます。県は、「これだけ厳しい栽培基準を県域で設けたお米は『きらみずき』が全国初」としています。
楽天市場などで「有機栽培米」「農薬不使用」と書かれたきらみずきが多いのは、こうしたルールがあるためです。
作付面積と食味ランキングの評価
滋賀県の報道資料(2025年7月)によると、作付面積は次のように広がっています(カッコ内はオーガニック栽培の面積)。
| 年産 | 作付面積 |
|---|---|
| 令和5年産 | 55ha(4.5ha) |
| 令和6年産 | 191ha(13ha) |
| 令和7年産 | 260ha(27.8ha) |
令和7年産の栽培者は309名(うちオーガニック17名)です。2025年7月からは、オーガニック栽培のきらみずきがパレスホテル東京で提供されています。
日本穀物検定協会の令和7年産「米の食味ランキング」では、きらみずきは参考品種として特Aの評価を受けました。ただし、参考品種は作付面積1,000ha以上または生産量5,000t以上という基準を満たしていない品種を対象にした試験で、同協会の資料に「参考品種は食味ランキングの対象ではありません」と明記されています。そのため、産地別のランキング表には掲載されていません。滋賀県は、参考品種ながら初出品で最高評価の「特A」を受けたと紹介しています。
きらみずきに合う料理
滋賀県は、きらみずきについて「粒が大きいことから丼物にも合うほか、洋食、肉料理など幅広い料理との相性が抜群」と紹介しています。「ここ滋賀」の記事でも「洋風の料理にもよく合う」とされ、オムライスなどのごはん料理で提供すると紹介されていました。
丼もの:大粒でしっかりした食感が、具やたれに負けません。
洋食・オムライス:すっきりした甘さで、ケチャップやソースの味とも合わせやすいタイプです。
肉料理:生姜焼きやハンバーグなど、しっかりした味のおかずと一緒に。
白ごはん:かむほどに広がる甘さを確かめるなら、炊きたてをそのまま。
きらみずきを美味しく炊くコツ
基本は、① 精米日の新しいものを選ぶ(お米は精米後から少しずつ風味が落ちます)、② 最初の水はすぐ捨て、やさしく研ぐ、③ しっかり浸水する(目安は夏30分・冬1〜2時間)、④ 水加減は炊飯器の目盛りを基準に好みで微調整、⑤ 炊き上がったらすぐ底から返してほぐす、の5つです。
きらみずきは粒感がしっかりしたお米なので、まずは目盛りどおりに炊き、炊き上がったらすぐに底から返して余分な水分を飛ばすと、粒立ちとつやがはっきりします。やわらかめが好みなら、水をほんの少し足してください。研ぎ方はお米の正しい研ぎ方も参考にしてください。
きらみずきの保存方法
お米は乾物に見えて、実は温度・湿度・においの影響を受けやすい食品です。袋のまま常温に置くより、密閉できる容器に移して冷蔵庫の野菜室で保存すると、風味の低下や虫の発生を抑えられます。においの強いものの近くは避け、精米後はおおむね1か月を目安に食べきれる量を買うのが、いちばん失敗の少ない方法です。玄米で買って食べる分だけ精米する方法もあります。新米の時期にまとめ買いするなら、5kg袋を複数に分けて届くタイプを選ぶと、開封後の鮮度を保ちやすくなります。
きらみずきの人気商品(令和8年産)
楽天市場に出ている令和8年産のきらみずきから、商品名に「きらみずき」が入り、ほかの品種とのセットではないものを選びました。有機栽培米や彦根市・日野町のふるさと納税返礼品があります。
10月中旬ごろの収穫・発送予定の5kg。玄米・白米・分づき米から選べると表示されています。
きらみずきをもっと見る
※商品は2026年10月時点で楽天市場に掲載されている令和8年産の商品から、商品名に品種名が入っているものを選んでいます。ふるさと納税の返礼品は表示額が寄附額です。
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母にあたるにこまる、滋賀県で特Aを続けるみずかがみ、滋賀県で多く作られているキヌヒカリの解説もどうぞ。近畿のお米は近畿地方のお米の種類でまとめています。
まとめ|きらみずきは「大粒・すっきり」の環境配慮型近江米
きらみずきは、滋賀県農業技術振興センターがにこまると滋賀69号から育成し、令和6年産から本格デビューした近江米の新品種です。大粒でしっかりとした食感と、すっきりとしたみずみずしい甘さが特徴で、高温でも白未熟粒が出にくい性質を持っています。化学肥料や殺虫・殺菌剤を使わない栽培か有機JAS栽培に限って作られ、令和7年産では参考品種として食味ランキング特Aの評価を受けました(参考品種はランキングの対象外)。丼ものや洋食など、幅広い料理に合わせてみてください。
よくある質問
きらみずきはどこのお米?
きらみずきの親の品種は?
きらみずきはどんな味?
きらみずきは特Aを取った?
きらみずきは無農薬?
きらみずきの名前の由来は?
- 滋賀県「近江米新品種『滋賀83号』生産者説明会」資料(令和5年2月)(https://www.pref.shiga.lg.jp/documents/6995/5378121.pdf)
- 滋賀県「きらみずき」栽培者向け情報(https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/nougyou/ryutsuu/329959.html)
- 滋賀県 報道提供資料(2025年7月24日)(https://www.pref.shiga.lg.jp/gc00/press-release/25462.html)
- 滋賀県 しがの農業・イベント情報(パレスホテル東京への提供)(https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/event/345426.html)
- 滋賀県 広報レポート「近江米『きらみずき』『みずかがみ』食味ランキング『特A』W受賞」(https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/reports/349168.html)
- 滋賀県 プレスリリース(2023年10月6日)(https://kyodonewsprwire.jp/release/202310060736)
- 滋賀県 プレスリリース(2024年9月27日)(https://kyodonewsprwire.jp/release/202409277137)
- 滋賀のおいしいコレクション(滋賀県)「きらみずき」(https://shigaquo.jp/torikumi/kiramizuki/index.html)
- ここ滋賀「きらみずき」(https://cocoshiga.jp/official/topic/kiramizuki/)
- 農林水産省 品種登録出願の公示(告示第856号)(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/hinshu/gazette/syutugan/contents/333syutugan_20230719_856.pdf)
- 日本穀物検定協会 米の食味ランキング 参考品種の結果(https://www.kokken.or.jp/data/rank_sankou.pdf)
- 日本穀物検定協会 米の食味ランキング 産地別表(令和5〜7年産)(https://www.kokken.or.jp/data/rank_sanchi.pdf)
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