2026年にデビューした新潟県の新品種「なつひめ」。コシヒカリなどより早く、8月中に収穫できる極早生のお米です。県の研究成果では高温耐性が「強」、食味はこしいぶき並と評価され、試食会では「粒がしっかりしていてあっさりしている」という声が紹介されています。この記事では、新潟県の資料をもとに、なつひめの成り立ち、特徴、合う料理、令和8年産の商品までを紹介します。
・なつひめは新潟県農業総合研究所作物研究センターが育成した極早生の新品種(系統名「新潟135号」)
・令和8年(2026年)産から一般栽培が始まった今年デビューの品種。成熟期は8月20日ごろで、8月中に収穫できます
・高温耐性は「強」、食味はこしいぶき並。試食会では「粒がしっかりしていてあっさりしている」という声
「なつひめ」とは|新潟の夏に収穫できる極早生米
| 産地 | 新潟 | 新潟 | 新潟 | 新潟 |
|---|---|---|---|---|
| 粘り | データなし | もっちり | データなし | あっさり |
| 硬さ | データなし | しっかり | データなし | しっかり |
| 食味 | — | — | — | — |
| 1kgあたり | — | ¥720〜 | ¥300〜 | — |
| 楽天で見る | 楽天で見る | 楽天で見る | 楽天で見る |
粘り・硬さは編集部の目安(5段階)。食味は日本穀物検定協会「米の食味ランキング」第55回(令和7年産米)。価格は2026年10月9日時点の楽天市場の令和8年産(広告)。お米の品種一覧で全品種を比べる
なつひめは、新潟県農業総合研究所作物研究センター(長岡市)が育成したうるち米の新品種です。育成中の系統名は「新潟135号」。平成21年(2009年)に「東北192号」を母、「越南221号」を父として人工交配し、その後代から選抜されました。研究期間は平成21年度〜令和6年度にわたります。
開発の背景には、令和5年夏の異常高温があります。この年、コシヒカリなど高温耐性が十分でない品種で品質が大きく落ち、生産現場から新しい高温耐性品種が強く求められました。作物研究センターは、収穫時期を分散できる極早生の熟期で、高温に強く、食味のよい品種を目指して「新潟135号」を育成しました。
デビューの時期は令和8年(2026年)です。新潟県は令和8年3月25日に名称を「なつひめ」と発表し、令和8年産から一般栽培が始まりました。一般栽培の初年となる令和8年産の作付は約400haです。県は令和8年8月18日の報道資料で「今年デビューの水稲極早生品種」と紹介し、一般販売が本格的に始まる時期に合わせて、8月22日〜9月6日に「なつひめウィークス」というプロモーションを行いました。
| 項目 | なつひめの基本データ |
|---|---|
| 育成 | 新潟県農業総合研究所 作物研究センター(長岡市) |
| 系統名 | 新潟135号 |
| 交配 | 東北192号(母)× 越南221号(父)(平成21年) |
| 名称決定 | 令和8年3月25日 |
| 一般栽培 | 令和8年産から(初年は約400ha) |
| 早晩性 | 極早生(成熟期はこしいぶきより10日早い) |
| 高温耐性 | 強 |
| 食味 | こしいぶきと同程度 |
| 食味ランキング | 第55回(令和7年産)の産地別ランキング表に掲載なし(一般栽培前のため) |
名前の由来
県の発表では、なつひめという名前には「厳しい夏の暑さや陽射しの中でも凛として育ち、黄金色にきらめく姿を『新潟米のお姫様』として表現」という意味が込められています。推奨デザインのシンボルマークは、なつひめが身に着ける宝冠をイメージし、盛夏の太陽と稲穂で飾ったものです。キャッチコピーは「夏の恵み、黄金(こがね)の輝き。」、サブコピーは「新潟米は夏からはじまる。さきがけの『なつひめ』」です。
なつひめの特徴|試験場のデータで見る
作物研究センターの研究成果情報(令和7年度)では、なつひめ(新潟135号)を、同じ極早生の「葉月みのり」、早生の「こしいぶき」「ゆきん子舞」と比べています。数値は作物研究センターの優良品種選定調査(令和元〜6年度)によるものです。
| 項目 | なつひめ | 葉月みのり | こしいぶき | ゆきん子舞 |
|---|---|---|---|---|
| 早晩性 | 極早生 | 極早生 | 早生 | 早生 |
| 出穂期 | 7月19日 | 7月20日 | 7月27日 | 7月24日 |
| 成熟期 | 8月20日 | 8月21日 | 8月30日 | 8月25日 |
| 稈長 | 81cm | 86cm | 83cm | 80cm |
| 玄米重 | 58.8kg/a | 59.9kg/a | 61.0kg/a | 61.1kg/a |
| 千粒重 | 23.3g | 21.3g | 21.7g | 23.0g |
| 高温耐性 | 強 | やや弱 | やや強 | 強 |
| 白未熟粒・整粒(高温検定) | 9.7%・63.4% | 37.6%・36.6% | 28.6%・40.4% | 21.1%・51.5% |
| 食味 | 上中 | 上下 | 上中 | 上下 |
| 味度値 | 72.6 | 72.7 | 69.2 | 68.5 |
| 玄米タンパク質 | 6.2% | 6.4% | 6.2% | 6.3% |
| 白米アミロース | 15.1% | 15.0% | 15.1% | 14.9% |
高温耐性は温水かけ流し検定での玄米品質評価。食味は食味官能試験の総合評価(基準はコシヒカリ)。出典:新潟県農業総合研究所作物研究センター「高温耐性が強く食味が良い極早生の水稲粳系統『新潟135号』」。
① 8月中に収穫できる極早生
なつひめの成熟期は8月20日で、こしいぶきより10日早く、葉月みのりと同じくらいの極早生です。新潟県の発表でも「8月中に収穫ができる」品種と紹介されています。コシヒカリなどと収穫時期をずらせるため、暑い年に品質が落ちるリスクを分散できる点が、産地にとっての大きな利点です。
② 暑さに強く、白く濁った粒が少ない
温水をかけ流して高温にする検定では、なつひめの白未熟粒は9.7%、整粒は63.4%でした。同じ極早生の葉月みのり(白未熟粒37.6%)と比べると、暑さによる品質低下がかなり少ない結果です。玄米品質は「ゆきん子舞」並に優れるとされています。
③ 粒が大きい
玄米の千粒重は23.3gで、葉月みのりより約2g重い大粒です。県が紹介した試食会の声にも「大粒で若い人にも好まれる米と思う」というものがありました。
④ 食味はこしいぶき並
食味は、葉月みのりやゆきん子舞と比べて「並〜やや優れ」、こしいぶきと同程度と評価されています。味度値は72.6で葉月みのりと同程度、アミロース含有率は15.1%で、比較した品種とほぼ同じ水準です。
なつひめの味と食感|試食会の声
新潟県は、これまでの試食会で寄せられた声として、次の3つを紹介しています。
🌾 試食会での声(新潟県の発表より)
・他の新潟米と同じく食味も良い
・粒がしっかりしていてあっさりしている
・大粒で若い人にも好まれる米と思う
「粒がしっかり」「あっさり」という声からは、粘りの強さで勝負するタイプではなく、粒感とすっきりした味わいを楽しむお米という方向性が見えてきます。コシヒカリのような粘りと甘みの強いお米とは、また違った魅力です。夏から初秋にかけて、ほかの新米より早く食べられることも、なつひめならではの楽しみです。
栽培で気をつけること
研究成果情報では、栽培上の留意点も示されています。極早生のため周りより早く実り、スズメの被害に注意が必要です。生育期間が短く穂数が少ないので、健苗(丈夫な苗)の育成や施肥量・植える密度の調整で生育量を確保すること、いもち病や斑点米カメムシ類の防除を徹底することも求められています。耐倒伏性は「やや強」、穂発芽性は「中」、障害型耐冷性は「やや弱」、いもち病抵抗性は葉いもち「中」・穂いもち「やや弱」です。
なつひめに合う料理
粒がしっかりしていてあっさりした味わいという声から、次のような食べ方が合いそうです。
夏の献立:8月に新米が出回るので、冷ややっこや焼きなす、夏野菜の煮びたしなど、さっぱりしたおかずと合わせやすいお米です。
丼もの・カレー:粒がしっかりしているので、たれやルーをかけても崩れにくい方向です。
おにぎり:あっさりした味わいは、塩むすびや梅、鮭など定番の具を引き立てます。
和食の定食:焼き魚やみそ汁など、毎日の和食に合わせやすいタイプです。
なつひめを美味しく炊くコツ
基本は、① 精米日の新しいものを選ぶ(お米は精米後から少しずつ風味が落ちます)、② 最初の水はすぐ捨て、やさしく研ぐ、③ しっかり浸水する(目安は夏30分・冬1〜2時間)、④ 水加減は炊飯器の目盛りを基準に好みで微調整、⑤ 炊き上がったらすぐ底から返してほぐす、の5つです。
8月〜9月に届く新米は水分を多く含んでいることがあります。最初は炊飯器の目盛りどおりに炊き、やわらかく感じたら次回は水を少し控えめにするなど、好みに合わせて調整してください。粒感を楽しみたい人は、水をやや控えめにするのも一つの方法です。
なつひめの保存方法
お米は乾物に見えて、実は温度・湿度・においの影響を受けやすい食品です。袋のまま常温に置くより、密閉できる容器に移して冷蔵庫の野菜室で保存すると、風味の低下や虫の発生を抑えられます。においの強いものの近くは避け、精米後はおおむね1か月を目安に食べきれる量を買うのが、いちばん失敗の少ない方法です。玄米で買って食べる分だけ精米する方法もあります。新米の時期にまとめ買いするなら、5kg袋を複数に分けて届くタイプを選ぶと、開封後の鮮度を保ちやすくなります。 8月の暑い時期に届くことが多いお米なので、届いたら早めに涼しい場所や冷蔵庫の野菜室へ移しましょう。
なつひめの人気商品ランキング(令和8年産)
楽天市場に出ている令和8年産のなつひめから、商品名に「なつひめ」が入り、ほかの品種とのセットや米袋・のぼりなどの資材を除いたものを選びました。長岡市・新発田市・佐渡市・糸魚川市など、新潟県内各地のふるさと納税返礼品も出ています。
新潟県長岡市のふるさと納税返礼品。長岡産なつひめの5kgです。
新潟県新発田市のふるさと納税返礼品。真空パックで、5kg・10kgから選べます。
なつひめをもっと見る
※商品は2026年10月時点で楽天市場に掲載されている令和8年産の商品から、商品名に品種名が入っているものを選んでいます。ふるさと納税の返礼品は表示額が寄附額です。
あわせて読みたい
新潟県のお米は新潟のお米でまとめています。食味の比較対象として登場したこしいぶきはこしいぶきとは?、新潟の高級ブランド米は新之助とは?へ。暑さでお米が白く濁る仕組みは高温障害・白未熟粒とは?で解説しています。
まとめ|なつひめは新潟米の「さきがけ」になる極早生
なつひめは、新潟県農業総合研究所作物研究センターが平成21年の交配から育成し、令和8年産から一般栽培が始まった極早生の新品種です。成熟期は8月20日ごろで、8月中に収穫でき、高温耐性は「強」、食味はこしいぶき並と評価されています。試食会では「粒がしっかりしていてあっさりしている」「大粒」という声がありました。一般栽培1年目の作付は約400ha。夏に味わえる新潟の新米として、これから知られていく品種です。
よくある質問
なつひめはどこのお米?
なつひめはいつデビューした?
なつひめの親の品種は?
なつひめはいつ収穫される?
なつひめはどんな味?
なつひめは特A?
- 新潟県農業総合研究所作物研究センター 研究成果情報(令和7年度)「高温耐性が強く食味が良い極早生の水稲粳系統『新潟135号』」(https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/467796.pdf)
- 新潟県「高温に強い極早生の水稲品種『新潟135号』を開発しました」(https://www.pref.niigata.lg.jp/site/nosoken-seika-r07/seika-pp-r7-01.html)
- 新潟県「水稲新品種『新潟135号』の名称及び推奨デザインを決定しました」(令和8年3月25日)(https://www.pref.niigata.lg.jp/site/norin/n135meisyo-desing.html)
- 新潟県 報道資料(令和8年3月25日)(https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/life/811316_2600409_misc.pdf)
- 新潟県 報道資料(令和8年8月18日)「今年デビューの水稲極早生品種『なつひめ』の魅力を発信するプロモーションを実施します」(https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/507634.pdf)
- 日本穀物検定協会 米の食味ランキング 産地別表(令和5〜7年産)(https://www.kokken.or.jp/data/rank_sanchi.pdf)
品種の特性値は各資料の試験条件・年次での値です。価格・在庫・評価は変動します。最新情報は各販売ページをご確認ください。掲載商品の一部にアフィリエイトリンクを含みます。








