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お米の袋の裏には「単一原料米」または「複数原料米」と書かれています。ブレンド米という呼び方も見かけます。この違いは何で、どこまでのことが表示から分かるのでしょうか。食品表示基準のルールにそって整理します。
① 単一原料米=産地・品種・産年がすべて同じお米。根拠となる資料の保管が条件です。
② 複数原料米=それ以外。「国内産10割」のように産地と使用割合を「割」で表示します。ブレンド米は同じ意味の言い換えです。
③ 複数原料米の品種や産年は任意表示。書かれていなければ、何がどれだけ入っているかは袋からは分かりません。
お米の袋に必ず書かれている5つのこと
お米の表示は、食品表示法にもとづく食品表示基準(別表第24「玄米及び精米」)で決まっています。義務として書かなければならないのは次の5項目です。
- 名称(精米、玄米など)
- 原料玄米(単一原料米か複数原料米か。産地・品種・産年、複数なら使用割合)
- 内容量
- 調製時期/精米時期/輸入時期
- 食品関連事業者の氏名・住所・電話番号
このうち、お米選びで役に立つのが「原料玄米」の欄です。
単一原料米と表示できる条件
単一原料米と書けるのは、産地・品種・産年の3つがすべて同じお米だけです。そのうえで、その3点を裏づける根拠資料を保管していることが条件になります。
ここは2021年に変わった点です。かつては農産物検査を受けて証明を得ることが実質的な前提でしたが、令和3年7月1日施行の改正で、検査証明がなくても根拠資料があれば産地・品種・産年を表示できるようになりました。
| 区分 | 必要な根拠資料 |
|---|---|
| 検査を受けたお米 | 農産物検査証明書 |
| 検査を受けていないお米 | 種苗の購入記録等+作付状況が分かる資料(営農計画書、水稲共済細目書異動申告書など) |
資料の保管期間は精米年月日等から3年、保管する義務を負うのは表示責任者です。ほ場(田んぼ)は同じでなくてかまいません。検査米と未検査米が混ざっていても、産地・品種・産年が同じで双方の根拠資料があれば単一原料米と表示できます。
複数原料米(ブレンド米)の書き方
単一原料米の条件を満たさないお米は複数原料米です。産地と使用割合を、割合の高い順に表示します。
- 国産だけなら「国内産 10割」
- 輸入米が入るなら原産国ごとに「○○産 △割」
割合は%ではなく「割」で書きます(平成21年の改正で%から変更)。75%と25%なら「7.5割」「2.5割」と小数も使います。
その後ろに括弧を付けて、根拠資料がある場合に限り品種・産年を書き足すことができます。ただしこれは任意です。
「ブレンド米」は言い換えです
複数原料米は「ブレンド米」「混合米」「ミックス米」「産地ミックス米」「品種ミックス米」などと表示することも認められています。名前が違っても、意味は同じです。
未検査米はどう扱われるのか
かつては、農産物検査を受けていないお米は「未検査米/国内産 10割」としか書けず、品種や産年を書くことは禁止されていました。この禁止は令和3年7月1日施行の改正で削除されています。
また、検査を受けていないことを表示する義務もありません。つまり袋を見ても、そのお米が検査を受けたかどうかは分からない場合があります。等級(1等・2等など)も義務表示ではありません。等級そのものについてはお米の等級とはで解説しています。
精米時期の読み方
令和2年3月の改正で「精米年月日」は「精米時期」に変わり、旬単位の表示ができるようになりました。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| 上旬 | 1日〜10日 |
| 中旬 | 11日〜20日 |
| 下旬 | 21日〜末日 |
「令和8年9月上旬」「08.9.中旬」のように書かれます。精米時期の違うお米を混ぜた場合は、もっとも古い精米時期を表示するルールです。
年月旬表示が導入された理由は、日付が1日違うだけで敬遠されることによる食品ロスや値引き損失を減らし、配送を安定させるためと説明されています。
なぜブレンドするのか
ブレンドと聞くと「安く見せるための混ぜもの」という印象を持つ人もいますが、農林水産省は目的を次のように説明しています。
- 価格を抑える
- 年間を通して味を均一にする
- 食味を向上させる
- それぞれの特長を引き出す
お米は年によって収量も品質も変わります。同じ銘柄でも味は動くため、一定の味に保つにはブレンドの技術が要る、という理屈です。
消費者側の理由としては、農林水産省の調査(平成18年度・ブレンド米購入者73人・複数回答)で「価格が安いから」68%、「価格の割に食味がよいから」44%、「年間を通じて安定した食味が期待できるから」23%という結果があります。やや古い調査である点は割り引いて読む必要があります。
袋から分かること・分からないこと
| 項目 | 袋の表示で |
|---|---|
| 単一原料米か複数原料米か | 分かる(義務表示) |
| 国産か輸入か、その割合 | 分かる(義務表示・割単位) |
| 精米時期 | 分かる(義務表示・年月旬) |
| 単一原料米の産地・品種・産年 | 分かる(義務表示) |
| 複数原料米の品種・産年の内訳 | 分からないことがある(任意表示) |
| 農産物検査の有無・等級 | 分からないことがある(任意表示) |
つまり複数原料米では、何がどれだけ入っているかは書かれていれば分かるが、書く義務はないというのが正確な理解です。
なお表示には禁止事項もあります。「新米」と書けるのは原料玄米が生産された年の12月31日までに包装・精米されたものに限られること、使用割合50%未満の産地・品種・産年を大きく目立たせてはいけないことなどです。新米と古米の違いはこちらの記事で解説しています。
スーパーではどちらが売られているのか
農林水産省が公表しているPOSデータ(全国約1,000店舗のスーパー)では、直近の週(2026年8月31日〜9月6日)の販売割合と平均価格は次のとおりでした。
| 区分 | 販売割合 | 平均価格(5kg) |
|---|---|---|
| 銘柄米 | 84% | 3,023円 |
| ブレンド米等 | 16% | 2,900円 |
価格差は5kgで100円あまりです。なお「ブレンド米等」にはブレンド米のほかPB商品なども含まれうる、と注記されています。米価が高騰した2025年にはブレンド米等の割合が一時的に高まる局面もありました。
産地・品種・産年がそろった単一原料米を選ぶ
銘柄がはっきりしたお米を試したい方へ。レビュー評価の高い商品を集めました。価格や在庫は変動するため、最新情報は各ページでご確認ください。
よくある質問
単一原料米と複数原料米、どちらが美味しいですか?
「ブレンド米」と「複数原料米」は違うものですか?
複数原料米に何の品種が入っているか知る方法はありますか?
未検査米は品質が悪いということですか?
「新米」はいつまで新米と書けるのですか?
- 食品表示基準(e-Gov法令検索)
- 消費者庁 玄米及び精米に係る食品表示制度の改正について(令和3年6月)
- 食品表示基準Q&A 別添「玄米及び精米に関する事項」
- 農林水産省 玄米及び精米の年月旬表示の導入について
- 農林水産省 お米の産地銘柄とブレンド米の進化
- 農林水産省 スーパーでの販売数量・価格の推移(KSP-POS)
制度や数値は改正・更新されます。最新の内容は各出典をご確認ください。








