うるち米は普段食べる白いごはん、もち米はお餅やお赤飯のお米。違いはでんぷんの成分(アミロースの有無)にあり、もち米は粘りが強く、うるち米はバランスのよい粘りです。本記事でもち米とうるち米の違いと使い分けを解説します。
・うるち米は普段食べる白いごはん、もち米はお餅やお赤飯のお米
・違いはでんぷんの成分(アミロースの有無)にある
・もち米は粘りが強く、うるち米はバランスのよい粘り
うるち米ともち米の違いとは
お米には、大きく分けて「うるち米」と「もち米」の2種類があります。うるち米は、私たちが毎日ごはんとして食べている、あの白いお米のこと。コシヒカリもあきたこまちも、すべてうるち米です。一方もち米は、お餅やお赤飯、おこわに使われる、強い粘りが特徴のお米。見た目も、うるち米は半透明なのに対し、もち米は白く不透明です。同じ「お米」でも、性質が大きく異なるこの2つ。その違いの秘密は、お米に含まれるでんぷんの成分にあります。
違いの正体は「でんぷん」
うるち米ともち米の違いを生むのは、でんぷんを構成する2つの成分、「アミロース」と「アミロペクチン」のバランスです。お米のでんぷんは、この2つからできています。うるち米は、アミロースを約15〜25%、残りをアミロペクチンが占めます。一方もち米は、アミロースをほとんど含まず、ほぼ100%がアミロペクチン。このアミロペクチンが多いほど、お米の粘りは強くなります。つまり、もち米のあの強い粘りは、アミロペクチンだけでできていることに由来するのです。成分の違いが、食感の違いを生んでいます。
もち米の特徴と使い道
もち米は、その強い粘りと、冷めても硬くなりにくい性質を活かして、さまざまな料理に使われます。代表は、なんといってもお餅。蒸したもち米をついて作ります。お祝いのお赤飯、もちもちのおこわ、おはぎやちまき、あられ・おかきなどの米菓も、もち米から作られます。独特のもっちり・むっちりした食感と、冷めても美味しい性質は、もち米ならでは。ハレの日(お祝い事)の食べ物に、もち米がよく使われるのも、その特別感ゆえかもしれません。
うるち米の中にも個性がある
毎日食べるうるち米も、実は品種によってアミロースの量が少しずつ違い、それが食感の個性になっています。アミロースが低めの品種は、もちもちで粘りが強め(コシヒカリ、ゆめぴりかなど)。とくにアミロースが極端に低いミルキークイーンなどは「低アミロース米」と呼ばれ、もち米に近いもちもち感が特徴です。逆にアミロースがやや高めの品種は、あっさり・さっぱりした食感(ササニシキなど)。同じうるち米でも、この成分の差が、もちもち系・あっさり系といった好みの違いを生んでいるのです。
品種別のアミロース含有率
実際の数値を見てみましょう。公的機関が実測し、報告書で公表している値です。
| 品種 | アミロース含有率 | 測定機関・年 |
|---|---|---|
| おぼろづき | 12.8%(10.1〜14.9) | 農研機構 北海道農研・2004〜09年 |
| ゆめぴりか | 15.0%(12.0〜17.7) | 農研機構 北海道農研・2004〜09年 |
| つや姫 | 15.4% | 和歌山県農業試験場・2011〜15年平均 |
| ヒノヒカリ | 16.3% | 和歌山県農業試験場・2011〜15年平均 |
| あきたこまち | 16.9%(15.0〜19.0) | 秋田県農業試験場・2001〜06年 |
| コシヒカリ | 17.4%(14.8〜19.8) | 農研機構ほか・1989〜94年 |
| ななつぼし | 18.2%(17.1〜19.4) | 農研機構 北海道農研・2004〜09年 |
| キヌヒカリ | 18.3%(2006年) | 農研機構 北陸研究センター |
| きらら397 | 19.3%(18.0〜20.6) | 農研機構 北海道農研・2004〜09年 |
| 日本晴 | 19.4%(17.1〜20.6) | 農研機構ほか・1989〜94年 |
| はえぬき | 20%程度 | 山形県農業総合研究センター |
| ミルキークイーン | 10.2%(9.1〜12.2) | 農研機構ほか・1989〜94年 |
| 夢十色 | 32.8〜33.0% | 農研機構 北陸研究センター・2011〜12年 |
| 越のかおり | 32.5〜35.3% | 農研機構 北陸研究センター |
この表の数字を比べるときの注意
測定した機関・年・分析方法・部位(精米か白米か)が品種ごとに異なります。同じ年に同じ田んぼで横並びに測ったデータではないため、0.5%程度の差を比べることには意味がありません。大きな傾向(10%台前半なら粘りが強い、30%台ならパラパラ)をつかむための目安として見てください。
一般的なうるち米は17〜23%
秋田県農業試験場や農研機構東北農業研究センターの資料では、うるち米のアミロース含有率は17〜23%とされています。もち米は0%です(アミロペクチンだけでできているため)。
低アミロース米の定義は機関によって幅があり、農研機構東北農研は「3〜17%程度」、秋田県農業試験場は「5〜15%程度」としています。公的に統一された定義は見当たりませんでした。
同じ品種でも年によって変わる
見落とされがちですが、アミロース含有率はその年の気温で動きます。登熟期が暑いほど低くなります。
- ゆめぴりか:2007年11.0% → 2008年19.1%(8.1ポイントの差)
- おぼろづき:2007年9.9% → 2008年17.8%(7.9ポイントの差)
- きらら397:登熟温度が100℃(積算)上がるとアミロースが1.25%低下
あきたこまちも15.0〜19.0%の幅があります。登熟期の平均気温が26〜27.5℃という高温下では、あきたこまち12.0%、ひとめぼれ13.7%、コシヒカリ14.0%まで下がったという報告もあります。「この品種のアミロースは◯%」と一点で覚えるより、幅で捉えるほうが実態に合っています。
ただし、粘りのすべてを説明できるわけではない
秋田県農業試験場の資料には重要な指摘があります。品種どうしを比べればアミロースと食味には関係が見られるものの、同じ品種の中(あきたこまちどうし)では、アミロース含有率と「粘り」の相関ははっきりしなかった(相関係数0.1833、有意差なし)というものです。
また、高温の年はアミロースが下がる一方でアミロペクチンの構造が変わるため、かえって硬くなりやすいとも説明されています。アミロースは粘りを左右する大きな要素ですが、それだけで食感が決まるわけではありません。
- 農研機構研究報告 第24号(ゆきさやかの育成・品種別アミロース)
- 秋田県農業試験場 高品質・良食味米安定生産マニュアル
- 農研機構 東北農業研究センター 低アミロース米
- 和歌山県農業試験場 つや姫・にこまるの特性
- 農研機構 中央農業総合研究センター研究報告(越のかおりの育成)
測定機関・年・分析方法が品種ごとに異なるため、数値の単純比較はできません。
使い分けと炊き方のポイント
うるち米ともち米は、使い分けが基本です。普段のごはんはうるち米、お餅やお赤飯・おこわはもち米、と用途で選びましょう。おこわや中華おこわを作るときは、もち米だけ、またはうるち米にもち米を混ぜて炊くと、もちもち感が出ます。もち米は吸水率が高いので、炊く(蒸す)ときの水加減はうるち米と異なります。赤飯やおこわのレシピでは、もち米に合わせた分量が示されているので、それに従うと失敗しません。両者の性質を知れば、料理の幅がぐっと広がります。
毎日のごはんに美味しいうるち米を
毎日のごはんに使ううるち米は、好みの食感で選ぶのが一番です。もちもちが好きなら低アミロース寄りのコシヒカリ・ゆめぴりか・ミルキークイーン、あっさりが好きならササニシキ・あきたこまちなど。うるち米ともち米の違い、そしてうるち米の中の個性を知れば、お米選びはもっと楽しくなります。下記では、人気のうるち米銘柄を紹介します。自分好みの食感のお米を見つけて、毎日のごはんを美味しく楽しんでください。お米の奥深い世界を、ぜひ味わってみてください。
好みの食感で選ぶ|人気のうるち米
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まとめ|もち米とうるち米
うるち米は普段のごはん、もち米はお餅やお赤飯用。違いはでんぷんのアミロースの有無で、もち米はほぼ100%アミロペクチンのため強く粘ります。うるち米もアミロース量で食感が変わり、低いほどもちもち(ミルキークイーンなど)。用途と好みで選びましょう。下のおすすめや診断も参考にどうぞ。
よくある質問
うるち米ともち米の違いは?
もち米はなぜ粘る?
うるち米のでんぷん成分は?
もち米の使い道は?
見た目の違いは?
低アミロース米とは?
おこわはどう作る?
もちもちのうるち米は?
- 各産地・ブランド米公式サイト
- 日本穀物検定協会 食味ランキング
- 農林水産省 品種登録データ/各販売ページ
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