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米ぬかの使い道|ぬか床・肥料・こめ油までの活用法【2026】

精米で出る米ぬかは玄米の約10%。栄養成分の数値、こめ油の原料としての位置づけ、ぬか床の作り方、肥料や掃除への使い方まで…

お米ふぁん編集部 著公開 2026.09.18更新 2026.09.18

コイン精米機の脇に、米ぬかが山積みになっているのを見たことはありませんか。精米すれば必ず出てくるこの副産物は、栄養の宝庫であり、油の原料であり、漬物の土台でもあります。何ができるのかを整理します。

⏱ 3行でわかる結論

① 米ぬかは精米で削られる部分で、玄米重量の約10%が発生します。

② 最大の用途はこめ油。2024年に製油向けへ回された米ぬかは41万トン、こめ油の生産は7.8万トンでした。

③ 家庭ではぬか床・肥料・掃除に使えます。ただし油の分解が非常に速いので、鮮度が命です。

米ぬかとは何か

米ぬかは、玄米を精米するときに削り取られる部分です。具体的には玄米表面のぬか層(果皮・種皮・糊粉層)と胚芽にあたります。

農林水産省の資料によると「通常の精米では、玄米重量の10%ほどが発生します」。5kgの玄米を精米すれば、およそ500gの米ぬかが出る計算です。

栄養の数字

日本食品標準成分表(八訂・増補2023)の数値です(可食部100gあたり)。

成分 含有量
エネルギー 374kcal
たんぱく質 13.4g
脂質 19.6g
食物繊維総量 20.5g
ビタミンB1 3.12mg
ビタミンB6 3.27mg
ナイアシン 35.0mg
マグネシウム 850mg
リン 2000mg
カリウム 1500mg
鉄 7.6mg

白米が失っている栄養が、そのまま米ぬかに移っていることが分かります。このほかγ-オリザノールという成分があり、農林水産省は「米に特徴的な高い生理活性をもつ成分で、一般的な植物油には含まれていません」と説明しています。

米ぬかはどこへ行っているのか

いちばん多い行き先はこめ油です。業界統計の数字を見てみます。

項目 2024年
製油向けの米ぬか処理量 414,614トン
こめ油の生産量(原油) 78,585トン
脱脂糠の生産量 324,935トン
うち配合・混合飼料の原料に 226,951トン

油を搾ったあとの「脱脂糠」が、今度は家畜の飼料になります。無駄がありません。

日本全体の発生量について

米ぬかの年間発生総量を直接示した公表統計は見つかりませんでした。主食用米の収穫量(2024年679万トン、2025年747万トン)に玄米重量比10%を当てると年70万トン前後になりますが、これは当サイトが2つの統計から計算した試算です。

こめ油という選択肢

米ぬかには約20%の油分が含まれており、これを抽出・精製したものがこめ油です。玄米あたりの収量は約1%。メーカーの説明では、米ぬか約4.3kg(玄米約43kg)から600g入りのこめ油1本ができます。

農林水産省の資料には、興味深い位置づけが書かれています。こめ油は「国産原料による生産を行い、食料自給率の向上に貢献するという点において、ほぼ唯一の油」。サラダ油の原料である大豆や菜種はほとんどが輸入ですが、こめ油の原料は国産の米ぬかだからです。

ぬか床を作る

家庭でいちばんなじみのある使い道がぬか漬けでしょう。農林水産省は「ぬかに塩と水を混ぜて乳酸発酵させたぬか床に野菜を漬ける」ものと説明し、ぬか漬けにすると「野菜によってはビタミンB1が10倍以上に増えます」としています。

研究論文にある配合例

日本食品微生物学会雑誌(2023年)の研究では、次の条件でぬか床が作られています。

  • 生ぬか10kgに、7%の食塩水10Lを加えて混合
  • 漬け込み中の塩分濃度は約1.5%に保たれた
  • 冷蔵(5〜6℃)で実施

この研究では、非加熱のぬか床でpHが5.84→4.98へ下がり、乳酸菌が3.8×10⁵から1.2×10¹⁰CFU/gまで増えました。一方、加熱処理したぬかでは初回にpHが下がらず、3回漬けた後の乳酸菌数が非加熱の約6000分の1。ぬか由来の乳酸菌が発酵の立ち上がりに重要だということです。生ぬかが使われる理由がここにあります。

手入れの基本

同じ研究に「良好なぬか床の状態を維持するために、毎日手でかき混ぜて空気を入れる」「新しくぬか漬けを始める際には、ぬかの発酵微生物を活性化させる準備として屑野菜を用いた捨て漬けを行う」とあります。

数値の基準は意外と存在しません

「塩は米ぬかの何%」「かき混ぜは1日何回」「捨て漬けは何日」といった目安を、公的機関や業界団体が明示した資料は見つかりませんでした。厚生労働省の「漬物の衛生規範」は事業者向けの指針で、家庭のぬか床の基準は定めていません。また、ぬか床にカビが生えた場合の可食性について公的な見解も確認できませんでした。

肥料として使う

米ぬかは微生物のえさになります。お米マイスター全国ネットワークの説明では「米ぬかは微生物のエサとなる養分が豊富で微酸性。これを好む有用な微生物たち(乳酸菌や酵母、こうじ菌など)が集まってきて増殖」します。

農研機構が示すぼかし肥の作り方はこうです。「米ぬかにもみがらやナタネ油粕、腐葉土などを混ぜて、手に湿り気を感じる程度に水を加える」。これをおけやドラム缶に密封し、雨のかからない涼しい場所に置きます。期間は夏で1か月、冬で3か月が目安です。

自治体も生ごみ堆肥づくりに使っています。塩尻市は腐葉土と米ぬかを5対3の割合で混ぜ、水切りした生ごみと米ぬか2〜3つかみを毎日混ぜる方法を、世田谷区は刻んだ生ごみに米ぬかをまぶして古土と層状に積む方法を紹介しています。

掃除に使う

昔ながらの使い方も残っています。文化財住宅「矢中の杜」の公式サイトには、床板に市販のワックスが使えないため「米ぬかを布に入れ、床板をギュッギュッと磨くことで、自然なツヤを出しています」とあります。米ぬかの油分を利用した方法です。

食べる場合に気をつけること

米ぬかは食べられますが、劣化が非常に速いという難点があります。

農林水産省の説明です。「精米工程で米ぬかが発生した直後から、米ぬかに含まれる油分は酵素(リパーゼ)の影響により速やかに加水分解されます」。

1959年の油化学の論文にはさらに詳しく、「米ヌカが玄米から削り離された瞬間(搗精)からリパーゼ作用は活発な活動を開始する」とあります。通常の米ぬかの含水量は11〜15%で、15〜20%のときに分解がもっとも速く進みます。

加熱してリパーゼを失活させたものが炒りぬかです(特許文献によると100〜130℃で効率よく失活)。食用として市販されているのは主にこちらです。ただし、生ぬか・炒りぬかそれぞれの保存可能期間を示した公的資料やメーカー資料は見つかりませんでした。

玄米そのものの栄養については玄米とはもあわせてどうぞ。

よくある質問

米ぬかはどれくらい出るのですか?
農林水産省によると、通常の精米では玄米重量の10%ほどが発生します。5kgの玄米なら約500gです。
米ぬかは何に使われていますか?
最大の用途はこめ油です。2024年には41万トンの米ぬかが製油向けに処理され、7.8万トンのこめ油が生産されました。油を搾ったあとの脱脂糠は主に飼料になります。
ぬか床は生ぬかでないとだめですか?
研究では、加熱したぬかは発酵の立ち上がりが悪く、3回漬けた後の乳酸菌数が非加熱の約6000分の1でした。ぬか由来の乳酸菌が重要とされています。
米ぬかはどれくらい日持ちしますか?
公的資料やメーカーによる保存期間の目安は見つかりませんでした。ただし精米した瞬間から酵素による油の分解が始まるため、生ぬかは鮮度が重要です。加熱した炒りぬかは酵素が失活しています。

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