美唄のとりめし
炒めた鶏肉とモツを米と一緒に醤油・砂糖・酒だけで炊き上げる素朴な炊き込みご飯。明治の開拓期、入植地で客をもてなす料理として生まれ、鶏の出汁の旨味と香りが強い。
食べる場面
来客のもてなし、祭りや正月などハレの日
都道府県をタップすると、その土地のごはん料理が出てきます。
※ 県の色は、紹介している料理(いちばん上)の種類です。郷土料理は地域・家庭によって具材や作り方が違います。
炒めた鶏肉とモツを米と一緒に醤油・砂糖・酒だけで炊き上げる素朴な炊き込みご飯。明治の開拓期、入植地で客をもてなす料理として生まれ、鶏の出汁の旨味と香りが強い。
来客のもてなし、祭りや正月などハレの日
イカの胴にもち米やうるち米を詰め、醤油・砂糖などの甘辛い汁でじっくり炊き込む。戦時中の米不足のなか森駅の駅弁として考案され、今も道南を代表する一品。
駅弁、家庭のおかず・おやつ・酒の肴
小豆の代わりに甘納豆を混ぜ、食紅でほんのり色づけした甘い赤飯。昭和20年代後半に札幌の南部明子氏が手軽な作り方として考案し、道内に広まったとされる。
ハレの日、学校給食
よく炒ってすった黒ごまをもち米に混ぜて炊き込む、真っ黒な色飯。香ばしさが持ち味で、仏事に供えるほか、砂糖で甘くして祭りや田植えのごちそうにする地域もある。
仏事・精進日、田植え、神社の祭り、重陽の節句(栗入り)
サケの煮汁で炊いたご飯に、煮たサケの身と煮汁にくぐらせたいくらを盛る秋の名物。伊達政宗への献上の逸話が残る漁師飯で、昔は全部を混ぜたご飯だったという。
秋祭り、飲食店の秋の名物
ホッキ貝を醤油ベースのタレで煮て、その煮汁で炊いたご飯に貝をのせる。ホッキ漁が盛んな山元町の家庭料理から広まり、冬から春の宮城を代表するご当地飯になった。
家庭料理、飲食店
下ごしらえしたたけのこに人参やしいたけ、山菜、時に鶏肉も加えて炊き込む。丸森町や名取市など県内各地で孟宗竹が採れる4〜5月の、春を感じる日常のご飯。
田植え、行楽弁当
皮が割れにくい「てんこ小豆(黒ささげ)」で紫がかった色に蒸し上げ、砂糖も加える秋田流の赤飯。盆正月や冠婚葬祭に欠かせず、11月23日の新嘗祭に豊穣を祝って供えた。
お祝い事、仏事、盆正月、新嘗祭
すりおろした粘りの強い山の芋を濃いめの味噌汁でのばし、炊きたてご飯にかける。魔除けの力があるとされ、元旦など正月三が日や祝儀の翌日に食べる風習がある。
正月三が日、ご祝儀の翌日
浸水したもち米を笹の葉で巻いてゆで上げ、きなこ砂糖や黒蜜で食べる。端午の節句の行事食で、庄内には灰汁水で煮る黄色い笹巻きもある。粒のまま使う点が珍しい。
端午の節句、正月の七つ祝い(庄内町余目)
醤油や砂糖で煮たほっき貝の煮汁で米を炊き、蒸らす時に貝を戻して混ぜる。松川浦周辺の大ぶりで甘いほっき貝を使い、漁師の船上飯から広まった。しそや針生姜を添える。
家庭、飲食店、宿泊施設
醤油と酒に漬けたはらこ(いくら)を炊きたてご飯にたっぷりのせる浜通りの鮭料理。鮭漁の盛んな請戸川などで生まれ、鮭と根菜の味噌汁「紅葉汁」と一緒に食べる。
鮭漁の時期の食堂、家庭
ハマグリと人参・しいたけを手早く炒め、その煮汁で炊いたご飯に具を混ぜ込む。鹿島灘の大ぶりなハマグリを使い、殻が対でしか合わないことから慶事の席にも出された。
結婚式、雛祭り、正月などのハレの席
素焼きにした鮎を米と炊き、頭と骨を除いて身をほぐし混ぜる。天然鮎の名川・那珂川沿いで祭りや農休日に作られたごちそうで、初夏の若鮎、晩夏の子持ち鮎で楽しめる。
祭りの日、農休日
特産のかんぴょうを干ししいたけ、ごぼう、人参、油揚げと炒め煮し、ご飯に混ぜて錦糸卵や絹さやで彩る。手間がかかるため祭りや農家の休日に作られたハレの料理。
祭り、農家の休日
米に麦や豆、根菜、きのこ、鶏肉などの「かて」を加えて炊く、または混ぜるご飯。米不足の時代のかさ増しが起源で、群馬では学業成就を願う「天神講」の日にも供される。
天神講、人が集まる時
焼いてたれに漬けた薄切りの鶏肉をご飯にのせ、丼のように食べる群馬の名物。老舗には秘伝のたれを守る店もあり、行楽弁当やテイクアウトでも親しまれている。
行楽弁当、飲食店
干ししいたけやずいき、人参、大根、油揚げなどを甘辛く煮て、ご飯や酢飯、茶飯に混ぜる。米を補う工夫から生まれ、醤油を使うごちそうとして行事にもよく作られた。
山の神、桃の節句、八十八夜、お盆の入り、恵比寿様の日
小さく切った鶏肉を醤油で煮詰め、炊きたてのご飯に混ぜるだけの素朴な混ぜご飯。「米1升に飯茶わん1杯の醤油」と伝えられ、安産祈願の子安講や八朔の行事に欠かせない。
子安講、八朔
湯に浸して炒った米を、砂糖で煮た小豆と合わせて蒸すように炊く。赤飯に似た見た目でほんのり甘くパラパラした食感。お盆の迎え火・送り火の唱え言葉にも登場する縁起物。
お盆、ハレの日、豊作祈願
豚バラ肉と油揚げを甘辛く煮てご飯に混ぜ、片手で食べられるおにぎりにする。出雲参りの旅立ちに食べたのが始まりといわれ、今は秋祭り「やわたんまち」の神輿の担ぎ手に振る舞われる。
やわたんまち(秋祭り)
アサリのむき身と根菜を炒め煮し、その煮汁で炊いたご飯に具を混ぜる炊き込み型と、アサリとネギを味噌で煮てご飯にかけるぶっかけ型がある。江戸の漁師町・深川の味。
現在は飲食店で食べるのが一般的
米に栗や小豆などを入れて煎茶で炊く茶飯。東海道川崎宿の茶屋「万年屋」の名物で『東海道中膝栗毛』にも登場した。途絶えた後に再現され、現在は奈良茶飯風おこわが名物。
旅人の食事(江戸期)、現在は和菓子店の名物
梅干しとちりめんじゃこを米に混ぜ、だし汁で炊いて青じそを添える。梅の産地・小田原の特徴を出そうと地元の女性が考案し、梅を収穫する夏の家庭の一品として広まった。
家庭の日常食
干ししいたけ、人参、ごぼう、油揚げなどを甘辛いだしで煮て白飯に混ぜる。火山灰のやせた土地で貴重な米をかさ増しする工夫から生まれ、祭りや彼岸には具を増やしてごちそうにした。
年中行事、祭り、彼岸
蒸したもち米を醤油だれで茶色に色づけし、甘く煮た金時豆をのせて再度蒸す。長岡では赤飯といえばこれで「長岡赤飯」とも呼ばれ、祝い事から日常まで食べられる。
祝い事、結婚式の引き出物、年末年始、お盆
甘めに煮た黒豆を、蒸し上げたもち米に混ぜる白いおこわ。「みたま」「白ごわい」とも呼ばれ、主に葬式や法事で供される。黒部市宇奈月ではイナキビ入りの「きびおこわ」も作る。
葬式、法事
殻から外したサザエを米や出汁と炊き込み、磯の香りとコリコリした食感を楽しむ。海女が獲る「輪島海女採りさざえ」の漁が始まる7月頃から食卓に並び、給食にも出る。
家庭、飲食店、学校給食
砂糖や醤油で煮た黒豆を蒸したもち米に混ぜるおこわ。赤飯は火事を連想させるとして上棟式の引き出物に使われ、法事や盆にも食べる。金沢では食べる前にきな粉をかける。
建前(上棟式)、慶弔、お通夜、お盆、美川のおかえり祭り
炒って皮をむいた大豆を浸した豆入り番茶と醤油で米を炊き、仕上げに酒をふる。奈良茶飯が宿場町今庄に伝わったものとされ、通夜や法事、報恩講の精進料理として受け継がれる。
お通夜の夜食、法事、報恩講
熱いご飯に砂糖入りのきな粉を混ぜ、ほお葉2枚で包んで重しをかけ香りを移す。田植え後の祝い「さつきあげ」のごちそうで、ふるさとおにぎり百選にも選ばれた。
さつきあげ(田植え後の祝い)、田植えの合間
厚揚げ、ごぼう、人参、糸こんにゃくなどを削り節のだしで煮た熱い汁を、炊きたてご飯に汁ごとかける。大正初期から続き、地域によって具や食べ方が大きく異なる。
祝い事、正月三が日の夕食、結婚式、報恩講の夜食
サンマの切り身を米と酒・醤油で炊き、身をほぐして生しょうがと混ぜる。海のない山梨でも秋の新米と旬のサンマで作られ、稲刈り後の祝いのごちそうとして欠かせなかった。
収穫祝い、えびす講祭り
もち米とうるち米を蒸し、炒った大豆をのせて塩水を打ち、炒りごまをふる。「焼米」が語源とされ、苗代の種まきの神事「水口祭り」に供えた豊作祈願の飯。
水口祭り
もち米とうるち米を食紅で色づけして炊き、甘納豆をのせて蒸らす甘い赤飯。ごま塩で甘じょっぱく食べる。手軽に作れるため祝いの日を中心に通年食べられる。
祝いの日
ご飯に小麦粉を混ぜてこね、フライパンで焼いて味噌だれや醤油だれをつける。余ったご飯を無駄なく食べる知恵から生まれ、真田幸村が出陣前に食べたという逸話も残る。
おやつ(昔は主食)
クロスズメバチ(へぼ)の幼虫を甘辛く煮た甘露煮を、米と醤油で炊き上げる。海から遠い山間部の貴重なたんぱく源で、江戸時代の書物にも記録がある客人向けのごちそう。
客人のもてなし
鶏肉、ごぼう、人参を煮て炊いたご飯に混ぜ、明治から栽培される千石豆(ふじまめ)を加える。具をかき回して混ぜる様子からの名で、親戚が集まる祭りや行事に振る舞われる。
祭り、親戚が集まる行事
蒸して細かく切ったウナギとささがきごぼうを煮て、炊きたてのご飯に混ぜ、いんげんや錦糸卵を飾る。売り物にならない太いウナギを使った養鰻場のまかない飯が始まりとされる。
祭り、祝い事
くちなしの実の黄色い汁でもち米を染めて炊く。旧東海道の茶屋で戦国時代から売られた携帯食で、足腰の疲れに効くと評判だった。現在はおにぎりとして復活している。
祭り、祝い事
生ダコを米と一緒に炊き込み、きれいな桜色に仕上げるのが愛知流で「桜飯」とも呼ぶ。タコの島・日間賀島の名物で、南知多では半夏生にタコを食べる風習もあった。
半夏生(南知多)
醤油やみりんで炊いたご飯に、鶏の脂で炒めて濃いめに味付けした鶏肉・ごぼう・人参をかき混ぜる。養鶏が盛んな愛知で、卵を産まなくなった鶏をおいしく食べる工夫から生まれた。
昔は祝いの席などハレの場
から炒りして甘辛く煮たへぼ(地蜂の子)を米と炊き上げ、成虫と幼虫の食感の違いを楽しむ。信州から奥三河の山間部の貴重なたんぱく源で、今は客に振る舞うごちそう。
客のもてなし
生ダコとつけ液を米と炊き込むシンプルな飯で、具はあまり入れない。タコ漁や干しダコ作りが盛んな鳥羽の答志島や畦蛸(あだこ)が知られ、畦蛸では「多幸めし」とも呼ぶ。
家庭料理
琵琶湖固有種のビワマスを米と炊き、身と卵をほぐして混ぜる。産卵のため川を遡る秋の「雨の魚」を使い、滋賀の食文化財に選ばれた。地域ごとに具や作り方が異なる。
大勢が集まる時(大鍋で炊く)
ごぼう、人参、干ししいたけ、油揚げをだしと醤油で煮て、沸いたところに米を入れて炊く醤油の炊き込みご飯。祭りの行事食が由来で、名は「わっしょい」にかけたともいわれる。
祭りの行事食、給食、駅弁
薄切りの丹波マツタケを米と昆布出汁で炊き、三つ葉を添える。香りの強い「開き」が向くとされる。生産量が激減した今は高級食材で、秋の料亭の味でもある。
秋の料亭・割烹
大ぶりで甘い丹波くりを、少し塩をきかせた米と炊いて栗の甘さを引き立てる。平安時代から知られる丹波くりの味わい方の一つで、鮮度が落ちやすいため秋限定のごちそう。
家庭
だし汁と調味料で米を炊く際にタコを入れる炊き込みご飯で、地域により生ダコ、煮ダコ、干しダコを使う。マダコ漁獲日本一の播磨灘の漁師が、漁の後に手早く作ったのが始まり。
家庭料理、駅弁、学校給食
一晩水で戻した丹波黒大豆をつけ汁ごと使い、塩と酒で炊く。黒豆の色素でうっすら紫色になる。6月の「さびらき」で朴葉に包んで田の神に供えた、苗の成長を願う飯。
さびらき(早苗開き)、田植え、祝い事、法事
ゆでた豆腐、ごぼう、人参、油揚げ、鯖の水煮を醤油味で炒め、炊きたてご飯にのせて蒸らし混ぜる。鯖街道で塩鯖が届いた山里の寄り合い料理で、出稼ぎ杜氏の弁当にもなった。
地区の運動会、冠婚葬祭、集会
炒った大豆と米をほうじ茶で炊く茶飯。東大寺「お水取り」の練行衆の献立に原型があり、旅人が江戸に伝えて浅草に専門店ができた。米と大豆で栄養がよく腹持ちも良い。
東大寺練行衆の食事(由来)、学校給食
人参、しいたけ、ごぼう、薄揚げなどを入れた醤油味の炊き込みご飯を奈良では「色ご飯」と呼ぶ。えんどうやたけのこ、里芋など旬の具に変えて、村の行事や日々の食卓で作られる。
村の行事、家庭の日常食
全国有数の産地・紀の川沿いで採れる新しょうがを米と一緒に炊き上げ、ごまやねぎを添える。辛味が穏やかで爽やかな香りがあり、食欲が落ちる夏場にもさっぱり食べられる。
家庭、飲食店
粒が大きく甘い「紀州うすい」えんどうを、塩だけで米と炊き上げる。米が少なくなる春に収穫期の豆でかさ増ししたのが始まり。豆を炊き上がり前に入れると緑色が残る。
家庭
焼きサバの骨でとった出汁で季節の野菜を炊いて味をつけ、酒を入れて炊いたご飯に混ぜる。酢を使わない点がちらし寿司と異なり、「かきまぜ」がなまった名とされる。
祝い事、法事、ひな節句、祭り
豆腐を炒め、ごぼうや人参、しいたけ、油揚げも炒めて米と炊く。豆腐を炒める音が雷(方言で「どんどろけ」)のように聞こえるのが名の由来。傷みやすいため寒い時期に作った。
田植え後、農作業の区切り、村の集まり
海女が岩礁で獲るムール貝に似たイガイをゆでて米と調味料で炊く、磯の香りが広がる素朴な飯。海女漁が始まる6月頃から作られ、小さな漁村の夏の風物詩になっている。
お盆のもてなし
もち米に鶏肉、ちくわ、ごぼう、しいたけ、栗などを加え、醤油や砂糖で味をつけた具だくさんのおこわ。大山寺の精進のおこわや僧兵の出陣飯が起源とされ、例祭のごちそう。
氏神の例祭、祭事、来客の土産
殻ごとゆでて刻んだサザエを、そのゆで汁を出汁にして米と炊き込む。「貝の王国」隠岐の定番で、正月や祭り、農作業など人が集まる時には岩のりでさざえ飯の海苔巻きにする。
正月、祭り、祝宴、農作業
油抜きしたくじらの皮を大根、ごぼう、しいたけと炊き込む。くじらのような大物になるよう願って節分に食べる風習があり、寒い時期に油が体を温める冬の家庭料理。
節分
刻んだタイや野菜を煮た具とわさびをご飯の下に隠し、出汁をかけて茶漬け風に食べる。倹約の世に贅沢を隠した等の由来説があり、日本五大名飯の一つに選ばれた。
春神楽(正月行事)のもてなし
下津井付近の潮流にもまれた歯ごたえのあるたこを小さく切り、しょうがと調味料で米と炊き、ねぎを混ぜる。漁師が船上で食べたのが始まりで、店ごとに具や味付けが異なる。
家庭、飲食店、地元イベント
もち米に鶏肉、栗、ごぼう、人参、こんにゃく、小豆、四季の山菜を加えた豪華な五目おこわ。大山おこわを元に昭和30年代に工夫され、麦を2割入れることも推奨されている。
田植え後のシロミテ、祭り、祝いの席
ミンチにした寒鮒を根菜と炒め煮し、コクのある汁を熱いご飯にたっぷりかける。干拓地の水路で獲れるフナを使い、包丁でたたく音から「とんとこ飯」とも呼ばれた冬の料理。
冬の家庭料理
酒でいりつけたかきを、人参・ごぼう・油揚げとだしで炊いたご飯に最後に混ぜる。全国の約6割を水揚げする広島かきの旨味を生かした炊き込みご飯で、駅弁でも人気。
家庭、飲食店、駅弁
内臓とうろこを取った鯛を丸ごと釜に入れ、醤油や酒、みりんで米と炊く。江戸時代の鯛網漁とともに漁師が作り始めたとされ、鯛しばり網漁の鞆の浦では名物になっている。
主に飲食店
かば焼きにしたあなごのそぎ切りを、だしで炊いたご飯の上に敷き詰める。明治34年に宮島口駅の駅弁として生まれ、今は宮島参拝の名物。脂ののる夏や11月がおいしいとされる。
宮島参拝の食事、土産
萩沖で獲れる甘く濃厚なウニを、塩または醤油と酒を加えた米の上にのせて炊き込み、三つ葉を混ぜ海苔を散らす。うに丼とは別物で、高価なため大切な客人のもてなしに出した。
客人のもてなし
焼いた鳴門鯛を米の上にのせて炊き、骨と皮を除いて身をご飯に混ぜ込む徳島流。渦潮にもまれ身が締まった鳴門鯛の旨味を吸ったご飯が魅力で、主に飲食店で通年提供される。
飲食店、土産
酢や醤油に漬けたちりめんを、甘辛く煮たこんにゃく、ごぼう、しいたけなどと炊いたご飯に混ぜる。共同作業「つじ仕事」や農作業の後にねぎらいとして振る舞われた。
つじ仕事の後、農作業の合間、村の集会
茶褐色になるまで炒ったそら豆とざらめ糖、ゆで汁で米を炊き上げる甘い茶色のご飯。新豆の時期に古い豆を使い切る農家料理として広まり、農作業の疲れを癒やす甘味だった。
農作業の合間、正月の行事食、法事
頭と腹を除いたいりこを人参、大根、里芋、こんにゃくなどと、いりこ出汁で炊き上げる。有数のいりこ産地・伊吹島を抱える西讃で、季節を問わず作られる日常の炊き込みご飯。
家庭の日常食
たけのこ、ごぼう、干ししいたけ、干しエビ、ちくわなどを醤油で煮含め、炊きたてのご飯に混ぜる。醤油づくりの島・小豆島で、親族の集まりや農繁期の手伝いの礼に振る舞った。
親族・集落の集会、農繁期のハレの日
いりこや油揚げ、人参、たけのこなどを甘辛く煮て煮汁ごとご飯に混ぜ、円柱の型で押し抜く。修行僧の精進料理に由来し、百々手祭りや共同作業のまかないとして親しまれた。
百々手祭り、川ざらえ、棟上げ
東予や中予では鯛を丸ごと米と炊いて身をほぐし混ぜ、南予では醤油や卵のたれに漬けた生の鯛をたれごとご飯にかける。同じ名でも二つの食べ方があり、今は両方の店がある。
家庭、飲食店、駅弁
塩もみしてゆでたタコを、昆布を敷き人参、ごぼう、油揚げと炊いたご飯に加える。伊予灘の砂地で育つタコを漁船上で炊いたのが始まりとされ、春の「木の芽だこ」が美味。
家庭、松山市今出地区の専門店
きじガラの出汁で、きじ肉、ごぼう、人参、戻した切り干し大根などを煮含め、炊いたご飯に混ぜて柚子皮を散らす。貴重なきじ肉と常備菜の干し大根を合わせた鬼北町の味。
学校給食(通年)
醤油と砂糖で味をなじませたちりめんじゃこ入りのご飯に、刻んだたくあんと炙った岩のり(めのり)を混ぜる。「越し飯」が由来とされる大月町の年越しの定番で、甘みがほのか。
年越し
九州で鶏肉を指す「かしわ」と、ごぼう、人参などを煮詰めて炊いたご飯に混ぜる。家庭や食堂の定番で、祭りや運動会のごちそうにもなり、折尾駅などの駅弁としても名物。
祭り、運動会、ハレの日
二つ割りにしたツガニ(モクズガニ)を米と塩・醤油で炊き込み、独特の風味をご飯に移す川の幸の料理。産卵のため川を下る秋から冬がおいしく、七山では秋の風物詩。
お祝いで人が集まる時
もち米と小豆を混ぜて栗をのせ蒸し上げる。「栗こわい」とも呼ばれ、新米を供える秋祭り「くんち」に欠かせない。伊万里くんちでは客への土産の定番で、有田では型で抜いて出す。
くんち(秋祭り)、祝い事
正月や盆に男衆が自宅で育てた鶏をさばいて作るのが習わしのもてなしの混ぜご飯。基本は米と鶏肉だけと簡素で、凝る時はごぼう、人参、しいたけ、薄揚げなどを加える。
正月、盆、祭り、地域の寄り合い
天草の夏の風物詩・干しダコを戻して刻み、ごぼう、人参、ひじきと炊く(後から混ぜる家も)。戻し汁を出汁に使い、調味は醤油と酒、砂糖とシンプル。冠婚葬祭に欠かせない。
冠婚葬祭、仏事、誕生日、運動会、寄合
鶏肉、ごぼう、人参、干ししいたけ、たけのこなどを炒めて醤油と砂糖で味付けし、炊きたてご飯に混ぜる。嘉島町の六嘉神社の例大祭では馬肉で作るなど、地域ごとに具が違う。
地域行事、祝い事、六嘉神社秋の例大祭(10月17日)
鶏肉とごぼうを基本に、醤油や砂糖で煮た具を炊いたご飯に混ぜるか、最初から一緒に炊き込む。鶏肉消費が全国トップ級の大分で親しまれ、昔ながらに親鶏の肉を使う家も多い。
親戚の集まり、祭りなどハレの場
くちなしの実の汁で山吹色に炊いたご飯に、エソなどの白身魚、豆腐、大根を煮た「かやく」をのせて食べる。倹約令の臼杵藩で赤飯の代わりに作らせたのが始まりとされる。
大晦日・正月三が日、祝いの席
細切りの鶏肉を炒め、人参、ごぼう、しいたけとだしで煮て米と炊き上げる農家飯。おむすびにして畑仕事の合間に食べた。新富町では「春日ずし」とも呼ばれ、ご当地グルメに。
お祝い、祭り・イベント(大釜で炊く)
乾燥させて踏臼でひき割ったとうきび(とうもろこし)を米に1〜2割混ぜ、塩を入れて炊く。米が貴重だった高千穂地方の主食で、ふるさとおにぎり百選にも選ばれた。
日常の主食
ほぐした鶏肉、干ししいたけ、錦糸卵、パパイヤの味噌漬け、みかんの皮などをご飯にのせ、鶏ガラスープをかける。役人のもてなしが起源で、昔は鶏の炊き込みご飯風だった。
祝い事、もてなしの席、学校給食
角切りのさつまいも(からいも)を少しの塩とともに米と炊き、甘みとほっくりした食感を楽しむ。生産量日本一のさつまいもを使う鹿児島の手軽な郷土料理で、給食にも出る。
家庭、学校給食
ゆでた豚三枚肉と人参、しいたけ、かまぼこを豚だしと醤油で炊き込み、仕上げにラードを混ぜる炊き込み型のジューシー。旧盆のウンケージューシーや冬至のトゥンジージューシーがある。
旧盆(ウンケー)、冬至、祝い事
だしでご飯や米を具とじっくり煮る雑炊型のジューシーで「ボロボロジューシー」とも呼ぶ。よもぎ入りのフーチバージューシーなど種類が豊富で、体が温まるため冬や体調の悪い時に食べる。
日常の家庭料理、体調不良時
出典に「よく食べる時期」の記載がある料理を、季節ごとにまとめました。
内容は上記の資料をもとに編集部がまとめたものです。誤りのご指摘はお問い合わせから。