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お米の種類

米作りの1年間の流れ|田植えから稲刈りまで月別カレンダーと図解【2026】

米作りは春の種もみの準備から始まり、5月の田植え、夏の水の管理、秋の稲刈りまで約半年。月別の作業カレンダーとイラストで、…

お米ふぁん編集部 著公開 2026.06.18更新 2026.10.12

毎日食べるごはん。そのお米は、田んぼでどんなふうに育てられているのでしょうか。米作りは春の「種もみ選び」から始まり、苗づくり、田植え、夏の水の管理、秋の稲刈り、乾燥・もみすりまで、半年以上をかけて進みます。この記事では、月別の作業カレンダーとイラストで1年間の流れを追いながら、それぞれの作業が「なぜ必要なのか」まで、農林水産省や県の資料をもとに解説します。

⏱ 3行でわかる結論

① 春(3〜5月)に種もみの準備・苗づくり・田おこし・代かきをして、5月ごろに田植え。

② 夏(6〜8月)は水の管理と中干し。穂が出て花が咲き、実が太っていきます。

③ 田植えから約4か月で稲刈り(農林水産省 北陸農政局)。乾燥・もみすりを経て、玄米として出荷されます。

米作りの1年間の流れ【月別カレンダー】

まずは1年間の全体像です。新潟県長岡地域のコシヒカリ(令和8年)の作業日程と、石川県がまとめた米作りの暦をもとに、主な作業を月ごとに並べました。

作業
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
田おこし・代かき土を耕し、水を入れて平らに
種もみの準備塩水選・浸種・催芽
種まき・育苗苗箱で約3週間
田植え長岡のコシヒカリは平均5月11日
中干し出穂の1か月前までに終える
穂肥出穂の18〜10日前
出穂・開花令和8年は7月下旬
稲刈り地域・品種で8月末〜10月
乾燥・もみすり水分15%に仕上げる

出典:新潟県 長岡農業普及指導センター「令和8年 稲作技術情報」(コシヒカリ)、石川県「お米ができるまで」。月は目安で、地域・品種・その年の天候で変わります。令和8年の長岡は出穂が早く、収穫適期のめやすは8月30日でした。

苗田植え分げつ穂ばらみ出穂・開花登熟収穫稲は約半年で、苗から黄金色の穂になる
稲の成長の流れ(イメージ)

大きく分けると、春は準備と苗づくり、初夏に田植え、夏は水の管理、秋に収穫という流れです。ここからは、それぞれの作業を順番に見ていきましょう。

春①|種もみの準備(3〜4月)

米作りは、前の年にとれた「種もみ」を選ぶところから始まります。

塩水選(えんすいせん)|中身の詰まったもみを選ぶ

塩水に種もみを入れると、中身の詰まった重いもみは沈み、軽いもみは浮きます。沈んだもみだけを使うことで、元気な苗がそろいやすくなります。山形県の資料では、塩水の比重をうるち米1.13、もち米1.08にして選別し、そのあときれいな水で洗うよう呼びかけています。

浸種(しんしゅ)|水を吸わせて目覚めさせる

選んだもみは、水に浸けて十分に水を吸わせます。発芽をそろえるための作業です。農林水産省 北陸農政局は「積算水温約100℃(水温10〜15℃)を目安にして7〜10日程度」と説明しています。積算水温とは、毎日の水温を足し合わせた値のこと。たとえば水温10℃なら10日で100℃になります。

催芽(さいが)|芽を少しだけ出す

水を吸ったもみを温めて、芽を1mmほど出させます。山形県の資料では「水温30〜32℃、20時間浸漬が目安」とされ、もみの先が鳩の胸のようにふくらんだ「ハト胸状態」を確かめてから終えます。

春②|種まき・苗づくり(4〜5月)

育苗ハウスで苗を育てる
① 種まき・育苗(苗箱で苗を育てる)

芽の出たもみを、土を入れた「育苗箱」にまきます。北陸農政局によると、1箱あたり120〜150g(乾燥もみ換算)が目安です。苗は次の3つの段階を経て、田植えができる大きさに育ちます。

STEP 1出芽(しゅつが)育苗器に入れて30〜32℃で約2〜3日温め、芽を出させます。
STEP 2緑化(りょくか)日中20〜25℃、夜15〜20℃に保ち、弱い光を当てて約2〜4日。白かった芽が緑色になります。
STEP 3硬化(こうか)苗の長さ12〜15cm、葉が3.0〜3.5枚になるまで育て、外の環境に慣らします。
GOAL田植えできる苗に北陸農政局の説明では、苗の長さ12〜15cm・葉3.0〜3.5枚が硬化の目安。この苗を田んぼに植えます。

苗を育てる日数は、苗の種類や温度のかけ方で変わります。

地域・苗の種類 育苗日数の目安 出典
新潟県長岡(加温育苗) 18日程度(5月10日田植えの場合) 長岡農業普及指導センター
新潟県長岡(無加温育苗) 21日程度 同上
山形県最上(稚苗) 25日間(5月20日頃田植えの場合) 最上総合支庁
山形県最上(中苗) 35日間 同上
山形県最上(高密度播種苗) 15〜20日間 同上

令和8年の長岡地域の例では、加温育苗の場合、浸種4月10日→催芽4月20日→種まき4月22日→田植え5月10日という日程が示されています。

春③|田おこし・代かき・田植え(3〜5月)

水を張った田んぼに苗を植える
② 代かき・田植え

田おこし(耕起)

冬の間休んでいた田んぼの土を掘り起こし、細かくする作業です。北陸農政局は「こうすることで根の発育がよくなります」と説明しています。

代かき(しろかき)

田んぼに水を入れ、肥料をまき、田面を平らにします。北陸農政局によると「水もちをよくする、田植えを楽にする、雑草の発生を抑える」といった効果があります。田んぼが平らでないと、水の深さにむらができ、苗の育ち方もばらばらになってしまいます。

田植え

育てた苗を、田植機で田んぼに植えます。苗を育ててから植える方法を「移植栽培」といいます。新潟県長岡の資料では、1株あたり3〜4本の苗を植えるのが適切とされています。令和8年の長岡地域のコシヒカリでは、調査した24か所の田植え日の平均は5月11日でした。

「遅くとも5月末までに」

長岡農業普及指導センターは、田植えは遅くとも5月末までに終えるよう計画することを呼びかけています。田植えが遅れると、その後の生育や収穫の時期にも影響するためです。

夏①|水の管理と中干し(6〜7月)

いったん水を抜いて田んぼを乾かす
③ 水の管理・中干し

田植えのあとの苗は、根元から新しい茎を次々に出して株が大きくなります。これを「分げつ(ぶんげつ)」といいます。夏の田んぼでいちばん大切なのが、水の量の調整です。

中干し(なかぼし)とは

農林水産省は中干しを「水稲の栽培期間中、出穂前に一度水田の水を抜いて田面を乾かすことで、過剰な分げつを防止し、成長を制御する作業」と説明しています。北陸農政局によると、1株あたり14〜18本の茎数になったら、田んぼに溝を切り(溝切り)、田んぼを乾かします。

新潟県長岡の資料では、中干しの効果として次の4つを挙げています。

中干しの効果 なぜ大切?
過剰な分げつを抑える 適正な生育量(もみの数)になり、品質の低下を抑える
下の茎の伸びを抑える 稲が倒れにくくなる(倒伏の防止)
土に酸素を送る 根が元気になる
田んぼを固める 秋にコンバインが入りやすくなる

中干しは出穂の1か月前までに終え、その後は浅く水を入れては抜く「間断かん水」を数日おきに繰り返します(新潟県 三条農業普及指導センター)。

穂肥(ほごえ)|穂のための追加の肥料

稲の茎の中で穂のもと(幼穂)ができ始めたころに、追加の肥料をまきます。新潟県上越地域の資料では、1回目の穂肥はもみの数を確保して収量を上げるため、2回目は実の入り(登熟)をよくするための肥料とされ、コシヒカリの目安は1回目が出穂の18〜15日前、2回目が出穂の10日前です。

夏②|出穂・開花・登熟(7〜8月)

もみが開いて花が咲く穂が出て、花が咲き、実が太る
④ 出穂・開花・登熟

北陸農政局によると、幼穂ができてからおよそ30日後、茎の中から穂が現れます。これが出穂(しゅっすい)です。出穂し始めてまもなく、穂の先から花が咲きます(開花)。令和8年の長岡地域では、コシヒカリの多くが7月24日〜26日ごろに出穂しました(この年は「過去になく早い出穂」とされています。平年並みだった令和7年の上越地域では、8月1日ごろの予想でした)。

花が咲いて受粉すると、もみの中で玄米が少しずつ育っていきます。これを登熟(とうじゅく)といいます。玄米が充実してくると穂は重くなって垂れ、稲は緑色から黄金色に変わっていきます。

暑すぎる夏は品質に影響

登熟の時期の高温は、白く濁った「白未熟粒」が増える原因になります。くわしくは高温障害・白未熟粒とは?で解説しています。

秋①|稲刈り(8月末〜10月)

黄金色に実った稲をコンバインで刈る
⑤ 稲刈り(収穫)

北陸農政局は「田植えをしてから約4ヶ月、イネを収穫します」と説明しています。稲が黄色くなり、もみの中の玄米が十分に熟して硬くなったら収穫の時期です。

刈り取りの時期の決め方

農家は、カレンダーの日付だけでなく、稲の状態を見て刈り取る日を決めます。目安になるのは主に2つです。

・積算気温:出穂してからの毎日の平均気温を足した値。新潟県長岡の資料ではコシヒカリの収穫適期を950℃、青森県は刈り取りを始める目安を960℃としています。
・もみの色:田んぼ全体のもみの85〜90%が黄色くなったら刈り取りを始めます(新潟県長岡)。

令和8年の長岡地域のコシヒカリは、出穂期7月26日、収穫適期のめやすは8月30日でした。稲刈りの時期は地域や品種でまったく違い、宮崎・鹿児島の早期米は7月中旬から、九州の多くの品種は10月中旬ごろが収穫の目安です。品種・産地ごとの時期は新米カレンダーにまとめています。

秋②|乾燥・もみすり・出荷(9〜10月)

もみもみすりもみ殻を取る玄米精米ぬかと胚芽を取る白米乾かして、もみ殻を取り、精米する
⑥ 乾燥・もみすり・精米

コンバインで刈り取られた稲は、もみと茎に分けられ(脱穀)、もみを乾燥機で乾かします。青森県の資料では、乾燥後の仕上がり水分は15.0%が目標で、乾かしすぎると「胴割粒(どうわれりゅう)の発生や品質・食味の低下につながる」としています。

乾燥したもみからもみ殻を取り除くと玄米になります(もみすり)。玄米はこのあと農産物検査を受けて1等・2等などの等級が付けられ、出荷されます。わたしたちが食べる白米は、玄米の表面のぬかと胚芽を削り取ったものです(精米)。もみ・玄米・白米の違いはもみ・玄米・白米の違いで詳しく紹介しています。

稲刈りが終わった田んぼは、翌年の米作りに向けて準備が始まります。こうして、田んぼの1年がひと回りします。

数字で見る米作り

21.26時間10aあたりの労働時間
(令和6年産・全国・個別経営体)
547kg10aあたりの収量
(令和7年産・全国・ふるい目幅1.70mm)
67.7歳基幹的農業従事者の平均年齢
(2025年農林業センサス・米に限らない)

10a(1,000㎡、約30m×約33m)の田んぼで米を作るのにかかる時間は、令和6年産の全国平均で21.26時間でした(農林水産省「農産物生産費統計」)。作業ごとの内訳は次のとおりです。

作業 時間(10aあたり)
種子予措(塩水選・浸種など) 0.24
育苗 2.48
耕起整地(田おこし・代かき) 3.10
基肥 0.69
田植 2.53
追肥 0.20
除草 0.97
管理(水の管理など) 5.38
防除 0.50
刈取脱穀 2.61
乾燥 1.28
生産管理 0.37

いちばん時間がかかるのは、田植えのあと毎日のように田んぼを見回る「管理」の作業です。同じ統計では、北海道は13.31時間、都府県は22.03時間と、地域によっても差があります。

10aあたりの収量は、令和7年産の全国平均で547kg(ふるい目幅1.70mmで選別した値。生産者が使っているふるい目幅での主食用は526kg)でした。茶碗1杯のごはん(約150g)はお米約65g・約3,250粒で、稲にすると約2.1株分です(農林水産省 北陸農政局)。

「米」という字は「八十八」の手間?

農林水産省の子ども向けページでは、「『米』という字は『八十八』という文字からつくられたといわれています。お米ができるまでには88回もの手間がかかる、という意味です」と紹介されています。字の成り立ちについての言い伝えですが、ここまで見てきたように、米作りは種もみ選びから乾燥・もみすりまで、たくさんの手間の積み重ねでできています。

次にごはんを食べるとき、田んぼの1年を少し思い出してみてください。

よくある質問

米作りは何月から始まる?
地域によりますが、新潟県長岡地域の令和8年の例では、4月上旬に種もみを水に浸けはじめ(浸種)、4月下旬に種まき、5月中旬に田植えという日程でした。石川県の暦では、3〜4月に田おこし・代かきと苗づくりをします。
田植えから稲刈りまで、どのくらいかかる?
農林水産省 北陸農政局は「田植えをしてから約4ヶ月」で収穫すると説明しています。品種や地域、その年の気温で前後します。
中干しはなぜするの?
農林水産省は、出穂前に一度水を抜いて田面を乾かし、過剰な分げつを防いで成長を制御する作業と説明しています。倒れにくくする、根を元気にする、田んぼを固めてコンバインを入りやすくするといった効果もあります(新潟県長岡)。
稲刈りの時期はどうやって決める?
出穂からの積算気温(新潟県長岡のコシヒカリは950℃、青森県は960℃が目安)と、もみの85〜90%が黄色くなったかどうかを、田んぼごとに確かめて決めます。
米作りでいちばん時間がかかる作業は?
農林水産省の生産費統計(令和6年産・全国)では、10aあたり21.26時間のうち「管理」(田んぼの見回りや水の管理など)が5.38時間でいちばん長く、次いで耕起整地3.10時間、刈取脱穀2.61時間でした。
10aの田んぼで、お米はどれくらいとれる?
令和7年産の全国平均は10aあたり547kg(ふるい目幅1.70mmで選別した値)です。生産者が使っているふるい目幅での主食用の収量は526kgでした。

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米
お米ふぁん編集部

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